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役員インタビュー
2025年11月13日
株式会社ネオジャパン

役員インタビュー


技術と人をつなぎ、ネオジャパンの次の成長を牽引する

ー 取締役 技術開発事業部長 矢野裕二 ー

2000年 株式会社ネオジャパン入社。
技術開発事業部 部長、執行役員を経て、2025年4月取締役 技術開発事業部長に就任。

グループウェア「desknet’s」シリーズの製品のアーキテクチャ設計やUI改善、クラウド基盤やAI技術を活用した製品開発の推進を担う。

■ 入社から25年。技術者としての原点と歩み

――どのような経緯でネオジャパンに入社されたのでしょうか。

最初のご縁は、大学に届いた求人票でした。
当時、私は北九州の大学に通っていたのですが、当時は社長と専務(現・顧問)の二人が福岡まで直接来て面接を行っていたんです。
お二人とも九州出身ということもあり、当時は九州での採用に力を入れていた時期でした。
面接の中で話すうちに、社長の人柄に強く惹かれまして――
ネオジャパンに入社を決めた一番の理由は、人を大切にする温かさと魅力的な人柄でした。

――入社当時のネオジャパンはどんな雰囲気でしたか。

当時のオフィスは横浜市営地下鉄「中川」駅近くのスーパーの2階にある小さなフロアでした。
社員は60名ほどで、ベンチャーらしい活気と勢いに満ちていていました。社長は仕事中はとても厳しかった一方、仕事が終わればとても優しく、みんなで食事に行ったり、休日には家族ぐるみで交流するほど、温かな職場でしたね。

――入社後はどのような仕事を担当されていましたか。

最初は受託開発を担当していました。
案件によっては大手企業のシステム開発にも関わることがあり、当時は人数も限られていたので、若手のうちから責任ある仕事を任されていました。
大変ではありましたが、20~30代前半に猛烈に仕事に取り組める環境を与えていただいたことで、技術的なスキルだけでなく、限られた条件の中で成果を出す力が自然と身についたと思いますし、今となっては大変感謝しています。

■ desknet’s再構築プロジェクト

――印象に残っているプロジェクトを教えてください。

やはり、desknet’sから、desknet’s NEOへの全面再構築ですね。
旧desknet’sをゼロからつくり直すプロジェクトで、要件定義に約1年半、実装に約1年半――合計で3年ほどかかりました。
 

設計やレビューを何度も繰り返しながら、一つひとつ積み上げていく作業だったのですが、途中で方向転換や修正が何百回も発生して、本当に大変でした。 
正直、何度も「もう辞めてやろう」と思いましたね(笑)。 

■ 大切にしている価値観

――仕事をする上で、どんなことを大切にされていますか。

製品を使ってくださるユーザーのことを、常に第一に考える。――
だからこそ妥協はできませんし、「難しい」と感じることがあっても、まずはやってみる。
これは常に心がけている姿勢であり、創業当時から受け継がれてきたネオジャパンのDNAのような考え方だと思っています。

技術面でいえば、品質へのこだわりです。
当社の製品はすべて内製で開発していますが、自分たちが作った製品の品質には強いこだわりを持っています。

たとえば車でも、冷蔵庫や洗濯機といったハードウェアは完成品であり、不具合はないことが当たり前だと、みんな当然そう思っています。
一方で、ソフトウェアの世界では「バグはあってあたりまえ。不具合が見つかったら修正すればよい」みたいな風潮があると昔から感じています。
特に近年クラウド上でのサービス提供が主流になり、アプリケーションの更新が容易になったことで、その傾向が強くなっていると感じます。
もちろん、それによって提供スピードが上がるという良い面もあります。
しかし、お金を頂いている以上、品質を犠牲にしてよいとは私たちは考えていません。

私たちはユーザーにお届けする以上、「不具合ゼロにこだわる」――

それがネオジャパンのプライドです。

そして、気持ちの面で意識しているのは「一緒に働く人を大切にする」ことです。
昔から社長に言われてきた言葉で、「隣の人をハッピーにしなさい」という言葉があります。



まずは、もっとも近くにいる同じチームの仲間を思いやること。
その積み重ねが、最終的に良い製品づくりにつながる。
その考え方は今も自分の中に根付いていますし、絶やしてはいけないネオジャパンの文化だと思っています。

■ 現場から生まれる改善の文化

――ユーザーからのフィードバックをどのように製品やサービス改善へ還元していますか。

社内では、AppSuiteを使ってユーザーからの要望や不具合の報告を一元管理しています。
登録された内容はすべて確認した上で、同じ要望の数や重要度をもとに開発の優先順位を判断します。
たとえば、コロナ禍でリモートワークが急速に普及した際には、ユーザーの声を受けて所在確認のための「プレゼンス機能」を短期間で開発・実装しました。
必要なものを、必要なときに迅速に届ける。それが、ネオジャパンの開発スタイルの基本的な姿勢だと思います。

■ ネオジャパンの開発体制について

――現在の開発体制と方針について教えてください。

私は技術開発事業部の統括として、部全体の管掌をしています。

もちろん多少の上下関係はありますが、社内ではフラットな関係性を大切にしています。
互いに遠慮しすぎず、率直に意見を交わせる――
そんな空気づくりを意識していますし、それこそがネオジャパンらしさだと思っています。

開発の現場で大切にしているのは、「どうすればユーザーにとって使いやすいものになるか」という視点です。
技術を磨くだけでなく、使う人の立場に立って考える開発を心がけています。

■ AIがもたらす新しい開発のかたち


――AI活用の構想について教えてください。

AIの導入は、4つのフェーズで進めることを開発メンバーで共有しています。

 1.外部AI(ChatGPTなど)との連携
 2.AIアシスタントによるログ検索
 3.AppSuiteやスケジュールとの連携強化
 4.能動的に提案を行うAIエージェントの実現

現在はフェーズ2まで進んでいますが、最終的には、desknet’s NEOを開くと「今日の仕事の流れ」が自動で提案される――そんな世界を目指しています。
AIがスケジュールやメールなどの情報を横断的に把握し、ユーザーに最適な一日を示してくれる未来です。

早ければAGI(汎用人工知能)が2年後に実現すると言われる中、今後1〜2年が勝負だと感じています。
この分野は変化のスピードが非常に速く、立ち止まればすぐに取り残される。
だからこそ、次のフェーズへと加速して進めていく必要があると強く思っています。

■ 現場視点から経営へ

――取締役に就任されて、何か変化はありましたか。

仕事の内容自体は、実はそれほど大きく変わっていません。
ただ、経営会議や取締役会に参加するようになり、これまで以上に会社全体を俯瞰して考える機会が増えました。
そういった会議体では当然のことですが、法律や会計面なども含めた議論が行われており、改めてそうした知識習得も進めています。

また、プロパー入社の私が取締役になったという点にも、意味があると思っています。
自分自身が現場を経験してきた立場だからこそ持てる視点もありますし、そうした視点から会社に貢献できればと考えています。

……あと、一番の変化といえば、営業メールが増えたことでしょうか(笑)。

■ これからのネオジャパン

――5年後、10年後のネオジャパンをどのような会社にしたいですか。

「より多くの人に必要とされる会社」でありたいと思っています。
私たちの主軸はITですが、誰かの役に立てるのなら、分野にこだわらない挑戦もあっていいと考えています。
結果として、そうした姿勢が会社の成長にもつながっていくのだと思います。

ただし、規模の拡大を優先しクオリティを犠牲にするようなことはしない。少数精鋭で高品質な製品・サービスを提供する、それがネオジャパンらしさだと考えています。

これからは取締役として、今まで以上に高い成長性の維持・実現にコミットしなければならないと責任を感じています。
それと同時に一人ひとりの社員を大切にしながら、成長を実現したいと考えています。

■ メッセージ

――ステークホルダーの皆様へ

自分にできるのは、良いものをユーザーに届けること、そして一緒に働く仲間が少しでも幸せに働けるように動くことです。社員・ご家族・ユーザー・株主、関わるみんなに「あの会社と関われて良かった」と思ってもらえるよう、これからも取り組んでいきます。

どうか、これからもネオジャパンを応援していただけたら幸いです。